コラム
機械式駐車場問題を考える

第3回:マンションの長期修繕計画を考える

「機械式駐車場技術基準」の改正の今後の運用

大規模駐車設備から二段式駐車機まで世に出した経験を生かして
マンションの機械式駐車場長期修繕計画問題に役に立ちたい。
人もマンションも高齢期を迎え修理の時期を迎えている。

機械式駐車設備の安全対策と長らく言われ続けて来た。
2016年の7月から施行される「機械式駐車場技術基準」の改正で、駐車設備の入替えが難しい場合がでてきた。
 
駐車機出入り口の例について見てみよう。本改正により、駐車機出入り口に扉の設置が義務づけられた。長期修繕計画に該当する経年駐車機は出入り口に扉がついていないものは多い。その場合扉のスペースとして200mmの幅が必要になり、機械を交換する場合車の長さが5,000mmと規定されていれば長さが4,800mmとなる。つまり、長さを維持するためには現有機の修繕の選択しかない。
 
今までは入替えと修理かどちらかを選べばよかったが、本法律改正により必然的に修繕・修理しかできなくなる。
 
メーカー修理費用は、同業者の競争相手不在で値上げの様相が感じられる。
 
私自身の今日までの認定取得(旧:建設大臣認定、現:国土交通大臣認定「公益社団法人立体駐車場工業会」)の経験を生かし、他社メーカーの長期修繕計画にとりかかろうと思う。
 
機械を使う人が恩恵を受けるあたりまえの社会を目指して。
 
  一級建築士・機械式駐車場開発者(代表取締役社長)
野村恭三