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機械式駐車場問題を考える

埋め戻しの危険性 Part2

機械式駐車場撤去・平面化工事における埋め戻し工法の危険性

博多駅前陥没事故からの教訓

2016年11月8日午前5時、福岡市博多駅前で道路の大規模な陥没事故が発生しました。
もし、これが埋め戻したピット式駐車設備だったら…  
2016年11月8日午前5時、福岡市博多駅前で道路の大規模な陥没事故がありました。
 
事故が起きた道路は、砂と水の砂質地盤の上に浮いているような構造となっていました。
 
今回は道路だから上部に構造物が無く、誰も死傷者がでなかったのは不幸中の幸いかと思いました。
 
私は一級建築士でもありますので、今回の事故をピット式駐車設備に置き換えて考えてみました。
 
事故が起こった道路と同じ条件で、砂と水の砂質地盤にあるピット式駐車設備を埋め戻した場合を想定します。
例えば近隣の建設工事により粘土質地盤を貫通され、水が砂質地盤から粘土層に抜けたとしたら…。
更に、土や砂等で埋め戻されたピット構造体の重さは、駐車設備が設置されていた時よりも10倍程重くなっており、ピットは地中に沈下するどころか、ピット本体の底(底盤)が破損する恐れがあります。
つまり、埋め戻したピット式駐車設備の場合で考えると、陥没・破損の状態はもっと深刻な状況である可能性が高かったのではないかと思います。
 
今回の博多駅前道路の陥没事故では、道路の上には建物や構造体はありませんでしたが、それでも大きな被害をもたらしました。
 
今日も多くのピット式駐車を「埋め戻し」の工事が行われています。ピット下の地盤が沈下・空洞になっている現場もあるかもしれません。
 
近い将来に大きな地震が発生した際、地下水が地中深くに流れ抜けてしまう。
 
改めて、今回の博多駅前陥没事故は、私たちに地下の有効利用と安全性について教訓を与えるものであったと実感しております。
 

一級建築士・機械式駐車場開発者(代表取締役社長)
野村恭三