COLUM

機械式駐車場問題を考える

第13回:機械式駐車場撤去・平面化後のメンテナンスの必要性について

鋼製床式による平面化工事後のメンテナンスの必要性は、
ボルトが「緩む」か「緩まない」か。

皆さん、こんにちは。

 今回は久しぶりに鋼材床を用いた平面化工事後のメンテナンスの有無についてお話したいと思います。機械式駐車場を撤去し、鋼材床を用いた平面化工事を実施した後は「メンテナンスは必要なのか?」、「機械式駐車場にはメンテナンスは必要だけど、平面化後は必要ないはず?」など、工事後の不安や疑問視する声が私のところに多く寄せられています。私の答えは、 「後日メンテナンスが必要になる鋼材床もある」です。理由は、車が入出庫する際に床材に取り付けたボルトが緩むからです。そして、その緩んだボルトは当然締め直す必要があります。
 
では、なぜ鋼板床のボルトが緩むのでしょうか。それは、梁と床材を固定する際の ボルトの締め方が大きく関係します。一般的な工法は、梁と床材を直接ボルトで締め付けます。この工法をもう少し詳しく噛み砕いて説明すると、例えばM10mmの大きさのボルトを定格締め付け力3000kgで締め付けたとします。その上に重量1000kgの車両が上に載るとすると、単純に計算して3000kg-1000kgで2000kgに緩むことになります。更に車が入出庫を繰り返すと、締め付け力に変動が加わりボルトの緩みが進みます。これが梁と床材を直接ボルトで締め付けた際の緩みの原因になるのです。

<ボルトが緩む鋼材床>
 


しかし、ボルトの緩み対策は有ります。それは、直接梁と床材をボルトで固定するのではなく、 梁と床材の間に挟み金具を入れて締め付けることによりボルトの緩みは解消します。
この挟み金具は車が床板の上に載っても際に生じる床板の変形を吸収する 板バネの役割を果たします。更に、床板と床板に緩衝ゴムを入れる事により変形し床板は復元します。挟み金具で固定し、更に緩衝ゴムを入れることによって、ボルトの緩みを解消することができます。

<梁と床板に「挟み金具」を入れて固定>


<ボルトが緩まない鋼製床>…ノムラの「マルチステージ」

 
いかがでしょうか。単純に「平面化工事を施したから今後メンテナンスの必要がない…」という訳では有りません。鋼材床によっては、後日ボルトを締め直さなければならない、すなわち メンテナンスが必要なものもあります。ちなみ弊社、ノムラの鋼材床は挟み金具と緩衝ゴムの両方を採用しており、後日ボルトの緩みによる調整、メンテナンスは原則不要です。
今現在、鋼材床による平面化工事を検討されているなら、発注業者に「後日、ボルトの緩みは発生しないか?」を入念に確認することをお勧めします。その際、業者の曖昧な返答、具体性にかけ、 技術的根拠に基づいた説明がなされない場合はお気をつけて下さい。
 
 
 
一級建築士・機械式駐車場開発者(代表取締役社長)
野村恭三