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機械式駐車場問題を考える

第25回:平面化後の車両重量制限は変えられる。車両重量3t仕様とコストパフォーマンスについて考える

マルチステージの車両重量制限は3tまで可能。平面化後の鋼製床面の一部を3t仕様にする事が可能。

平面化後の車両重量制限は?
全てのステージを特別仕様(車重3t)にする必要はない
後日、鋼製床面の一部を特大使用にする事は可能

カーシェアリング時代に入り車を持つ意味が変化してきています。近年、車を所有する人の割合は減少傾向にあります。しかし、一方で車が好きな人、愛好家は今も昔も変わらず、いらっしゃいます。「車が好きな人は車を所有する」のです。  
都心に住む方で自分の愛車を保管する駐車場もしくはガレージを確保するのは容易なことではありません。一部の方で仕様が3tを超えるような車(例:ロールスロイス ファントム)を所有する方が都心のマンションに住んでいらっしゃいます。
ある都心のタワーマンションでは「機械式駐車場を平面化したら、車両重量の重いクルマ60台位の入庫希望者がいる」と聞いた事があります。機械式駐車場は空いている状況にも関わらず、既存の機械式駐車場が狭くて車を駐車できないのです。
 
今年、私共に機械式駐車場撤去後、ロールスロイス ファントム仕様(3t仕様)で10台収容の平面化の依頼がありました。当初は簡単にできると思っていましたが、意外な鋼製平面化の弱点を発見しました。
 
全てのステージ(鋼製床)を特別仕様にする必要はない
支える柱(当社は基本的に柱はありませんが)や梁は重い荷重の場合大きくすれば良いのですが、床材は3.2mmとか2.3mmの鋼板を曲げて作る「フォーミング加工」が多く用いられています。
床材を厚くすれば重い車は載せられるとはいかず、「鋼板を厚くするという事」が曲げ加工や曲げる金型の問題で難しいのです。3t仕様のために工場設備コストも大きく上がってしまいます。
 
ノムラのマルチステージは通常が2500kg仕様となっており、他社では2300kg〜2500kg仕様があります。実はこの2300kg〜2500kgの200kgの違いは、薄い鋼板では結構な差であり、技術面・コスト面を大きく左右させます。
 
そこで、私共は仕様を500kg上げるための工法を考案してみました。
 
後日、一部ステージ(鋼製床)を特別仕様に変更する事が可能
私共に寄せられるお客様の要望として、「車両重量が3tのクルマも駐車したい」という声が多く、平面化する全ての鋼製床を特別仕様(3t)に上げる必要がない場合がほとんどです。
 
その際、特別仕様(3t仕様)にしたい駐車部分の鋼製床に器具をボルトで取付け、3t仕様にバージョンアップ出来るのです。ちなみに特別仕様の変更は平面化工事後の後日でも可能です。しかし、後日一部を特別仕様に変更する事が出来るのは、マルチステージで平面化工事を行った場合に限ります。他社製の平面化では適用できません。
 
希望の位置や台数のみを特別仕様にバージョンアップすればコストも抑える事ができます。
 
機械式駐車場の需要の減少、そしてカーシェアリング時代における「好きな車を所有したいが、駐車・保管できる場所がない」というニーズのギャップ。この問題を解決していく事も私共の使命である「使われなくなった機械式駐車場の新たな使い道」の一つではないかと思います。

 


<平面化工事前>…昇降二段式・10連機


<平面化工事後>…平置き・特別仕様(3t仕様)・10台収容
写真:使われなくなった機械式駐車場をガレージに改装


一級建築士・機械式駐車場開発者
野村 恭三